東工大の入試の女子枠について
東京工業大学が総合型・学校推薦型選抜で143人の「女子枠」を導入 というニュースを見ました。
https://www.titech.ac.jp/news/2022/065237
私自身は女性で、国立大学の工学部出身ということもあり、これ系のニュースにはとても興味があります。
女子枠を設けること自体にはとても賛成で、この発表は嬉しいです。自分自身にとっても、自分の子ども(男女両方)にとっても、良い社会に進んでいると感じます。
今の職場は工学系というより情報系ですが、理系職に女性は本当に少ないです。他の社員の方からも、会社からも、女性だからといって明示的に差別されたことは全くないです(正直にいうと、優遇されていると感じる場面はあります)。
そのため、今直接的に困っているというわけではないですが、自分の選んだ仕事に就く女性が少ないということについて、悲しい気持ちがあります。
大学を選ぶ際に、自分の将来進みたい道がはっきりしている人ばかりではないと思うので、女子枠を設けることによって、中学生や高校生が工学・理学・情報学に興味を持ってくれるならばとても良いことだと思います。
ただ、この大学入試について、違和感がある点が一つあります。それは入試の方法です。
具体的には、工学院や情報理工学院の入試に、「女性活躍社会に貢献するために本学院で学びたいこと」を問うとある点です。
これが、「社会に貢献するために本学院で学びたいこと」だったら理解できます。しかし、いくら女子枠で入試を受けるからと言って、女子高校生に女性活躍社会を作る責任はないのではないかと思うのです。
女子学生の夢は、他の男子学生と同じように、東工大で得た知識を使って、自分が活躍することであって欲しいです。女性活躍社会に貢献すべきは、我々大人なのではないでしょうか。(もちろん、東工大は、この女子枠を設けることによって、女性活躍社会に貢献していると思います。)
東大も女子学生への家賃補助を行っていますし、私の大学時代より、若い女性たちが高度な教育を受けやすくなり、良い社会になってきたと感じます。自分の孫の世代になったときには、女子枠が必要なくなっているといいな、と思います。